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2017.6.1池平徹兵展 「今を灯して」 2018年8月17日(金)~ 9月8日(土)at hpgrp GALLERY TOKYO(オープニングレセプション 8月17日(金)19:00~21:00) 詳細はこちら
2017.6.1池平徹兵展 「今を灯して」 2018年8月17日(金)~ 9月8日(土)at hpgrp GALLERY TOKYO(オープニングレセプション 8月17日(金)19:00~21:00) 詳細はこちら
「ぼくの めざすばしょは ずっとずっと さきなんだ」
「やめたほうがいいよ いるかは うみのそとでは いきられないよ」
「ここからさきへは いるかのままでは いけないわ」
「それでも どうしてもっていうのなら
あしたのあさ いるかをやめる かくごをして うみのおわりにきて」
「いいよ そのかべを こわしてみて」
「あなたの たびは まだおわらない」
「ありがとう ありがとう ありがとう」
この壁画は建物全体を使った絵本の中を歩くような作品です。
エントランスのシンボルツリーに宇宙の縮図を詰め込み、階段を上がってその上に行くと一面の雲海が広がる壮大な物語。
接近して見ると小指の先程の小さな生き物たちの物語が散りばめられ、
大きな世界のまわりにはさらに大きな世界、小さな世界の中にはさらに小さな世界が描き込まれています。
夕方のお迎えの時間になると子ども数は次第に減っていきます。お迎えの遅い子どもの待つ時間、青空がライトアップされていたシンボルツリーの星空に埋め込まれた電球が蛍のように優しく輝き始めます。
遅くまで働くお母さんと遅くまで頑張った子どもたちへ、
お迎えの遅くなった子にも良いことが起こるように。
2013 145.0cm×1000.0cm oil and acrylic on canvas
この作品は一般社団法人アーツアライブ主催「平成25年度経済産業省 地域ヘルスケア構築推進補助事業」の一環として実施され、国立長寿医療研究センターにて27名の高齢者の方々に助手になって頂き制作したものです。
ワークショップ壁画 No1
ワークショップ壁画 No2
ワークショップ壁画 No3
下のボタンをクリックするか、横スクロールして壁画をご覧ください
こいのぼりを掲げられないこどもの日から一年、僕はこどもの日の本質を取り戻す為の計画を進めました。
参加者に本気で助手になりきってもらうことで、表現する喜びだけでなく、自分の表現を本気で必要とされる喜びをコンセプトとしたワークショップを数回に渡って開催し、延べ200人のアシスタント(参加者)と共に巨大なこいのぼりを完成させました。
それは子どもたちが自分のウロコを含むこいのぼりがあらゆる場所で認められ 必要とされ 展示された場所を訪れることで完成します。
この作品を通して僕たちはこれからの未来に 必要とされている 期待されている という感覚を子どもたちに送りたいと思います。
On May 5th, we celebrate Children’s day by raising carp-shaped streamers in
Japan.
I drew the painting entitled “Silence of 2011” for Children’s day without
carp-shaped streamers. After the great east Japan earthquake occurred on
March 11th, Children were not able to play outside freely.
I held a workshop in which children made scales of a carp-shaped streamer
to help them feel the pleasure of expression and the satisfaction of being
needed.
The plan to take Children’s day back will be completed when children visit
the place where it is exhibited.
By these works exhibited here, I want to give children confidence in being
needed and in playing a useful part both in the present and in future.
主催 公益財団法人立川市地域文化振興財団
共催 ジェイアール東日本商業開発株式会社
協力 八王子文化ふれあい財団
岡本太郎現代芸術賞展、島根県立美術館等にて展示
サイズ 約10m
素材 使わなくなったこいのぼり 画用紙 アクリル絵の具
movie Teppei Ikehila
paint Teppei Ikehila
music gO
「我々はあなた方の、畑をひどく汚してしまった。どんなことをしても償いきれるものではありません。せめてもの償いとしてこれをお受け取りください。」
政治家は持っているお金を全て差し出した。
家も家具も車も服も隅々まで売ったため、とても政治家には見えなかった。
「私の畑はひどく汚れてしまった。もとに戻るまでに100年はかかるでしょう。私の生きているうちにはもう野菜を作る事は出来ないかもしれない。私が野菜を作る事は子どもたちを危険にさらす事でもあるからです。」
農家のおじさんには、怒りと悔しさの感情を過ぎ、1つの決断に達した人が持つ強い軸を感じる事が出来た。
「いえ、野菜は作り続けて下さい。確かに子どもたちを危険にさらす事は出来ません。しかし、大人には子供ほどのリスクは無いし、こうした結果を生み出してしまった責任もあります。あなたが作った野菜は全て私が買います。」
政治家にも限界の責任の中で考え抜いた信念を持つ意志の強さがあった。
長い間、沈黙が続いた。深い海の底で自分の心臓の音を聞くような
消えかかっている命とも、まだ生きている証とも、
とれるような苦しい沈黙だった。
「分かりました。危険を承知の上で私の作った野菜を食べるというのならそうしましょう。
私は誰よりもおいしい野菜を作る事が出来る。」
農家のおじさんのプロフェッショナルな目が政治家を射抜く。
「承知しています。あなたは誰よりもおいしい野菜を作る事が出来る。
だからこそ私はあなたの野菜を日本から失うわけにはいかないと考えています。どうか私のため日本のためにおいしい野菜を作り続けて下さい。」
政治家のプロフェッショナルな目が農家のおじさんに重圧を投げ返す。
対談のあと、農家のおじさんは枯れた畑に立って一人で泣いた。
もう一度私は野菜に全力を注ぐ事が出来る。
放射能の事は関係なく、世界一おいしい野菜の事だけを考えていた。
まるで農家を始めたばかりのあの頃みたいだ。と思った。
農家のおじさんは、政治家からもらったお金と時間の全てを野菜作りの研究にあてた。
前々から一度、生活の事は考えず、育ててみたい作品がいくつもあった。
そしてある日、農家のおじさんから
今はもう政治家ではないおじさんの家に野菜が届く。
こんなにも野菜がおいしいとは。
ただ野菜を食べているだけなのに涙をこらえる事が難しかった。
私たちは困難に打ち勝つ事が出来たのだ。
ダンボールを開けると土もよく払い落とさずに野菜を食べ続けた。
空になった箱の底を見て、政治家はついに泣き崩れた。
箱の底に「全部食べてくれてありがとう。もう一度立候補して下さい。」
とメッセージが書かれていた。
もう一度私は政治活動に全力を注ぐ事が出来る。
私には今やるべき事がはっきり見える。
まるで初めて立候補したあの頃みたいだ。と思った。
政治家の努力により、比較的高価であるにも関わらず、
劇的においしいおじさんの野菜を、
日本中の多くの大人が食べるようになり、子どもたちは早く大人になっておじさんの野菜が食べたいと思うようにまでなった。
それほどまでにおじさんの作った野菜は革命的においしすぎたし、
政治家の情熱は革命家そのものだった。
100年後、政治家と農家のおじさんはもうこの世にはいない。
2人の作り上げた野菜たちが全世界に出荷される。
「野菜がこんなにもおいしいとは。」
世界中のレストランでサラダに拍手が起こる。
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